はじめてのレッスン 4話「ロールプレイ」

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「はじめてのレッスン」について

マスターとバーチャルドールの「はじめてのレッスン」です。  

バーチャルドールの基本的な能力を、ストーリーを通して体験する事ができます。

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■ レッスンルーム ■
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次は、『ロールプレイ』という、内面を変化させる能力について教えてもらう事にした。

アドバイスしたい事もあり、姿はキャラメイクしたままにしてもらっている。

ユイナ「ロールプレイもキャラメイクと同じく、いろんな人の好みに内面を合わせられるようにするために備わっています」

サーヤ「内面を変化させると言っても演技みたいなものね。上達すればするほど、気持ちや考え方までなりきって変化させる事ができるのよ」

シズク「あぁ……、ロールプレイはすごく苦手だ……」

シズクは頭を抱える。

さっそくロールプレイをやってもらうのだが、アドバイスとして、今の姿に合うロールプレイを考えてみてと付け加えた。

ロールプレイが完了したようなのだが、見た目と違って内面の変化はわかりずらいので、それぞれ何でもいいので決めゼリフを言ってもらう事にした。

ユイナ「は~い♪ 検診のお時間ですよ~♪」

キャラメイクとロールプレイの雰囲気が、元のユイナに近いため、とても自然に感じる。
ユイナがそのまま大人になったような感じだ。

アスカ「あなた、高貴なこのわたくしに命令するおつもりですの? 下僕の分際で生意気ね!」

いつもより、アスカの圧力がパワーアップしている。

思わず謝りそうになってしまった……。

サーヤ「アタシの決めゼリフ? あははは、そんなのあるわけないっしょ? ウケるw」

いつもの、柔和でアンニュイな感じが全くない。

本来の性格とかけ離れていると、まるで別人のようになるんだな。

ヒヨリ「ふぇ? 決めゼリフってなんなのだ? そんな事より、おなかがすいたのだー!」

これはすごいと評価して良いのだろうか……。

ロールプレイのせいか、ヒヨリの知能が下がったように感じる……。

最後にシズクの番だ。

シズク「……えっと。 ……決めゼリフ? な、何を言えばいいんだ?」

ただの素のシズクだった。

生真面目なシズクは、ちゃんとしたものをしようとしているのか、アドリブにとても弱そうだ。

シズクの前に、ヒヨリが「おなかがすいたのだー!」という適当な事を言って、ハードルがかなり下がった気がするのだが、緊張で聞いていなかったのかもしれない。

サーヤがシズクに、耳打ちをして助け船を出したようだ。

シズク「うっ……」

本当に助け船だったのかは、シズクの反応を見ると疑わしかった。

ヒヨリ&ユイナ「がんばれ~!」

アスカ「ドーンとやっちゃいなさい!」

サーヤ「シズクは天使♪ シズクは天使♪」

シズク「が……がんばる……」

とぼとぼと重い足取りで、私の目の前にやってきた。

天使の姿のようなキャラメイクをしたシズクは、黙っていてもキレイで絵になると思った。

スイッチが入ったようにキラキラ笑顔で、

シズク「愛の天使シズクちゃんだよ☆ あなたのハートも打ち抜いちゃうぞ♪」

見えない弓を打つポーズ付きで、見事にやり切った。

一瞬の沈黙……。

シズクのひきつった笑顔は、どんどん赤くなっていく。

シズクは膝を折り、

シズク「ぬぅおおおぉぉぉぉあああぁぁぁぁーーーーーー……!!」

ダンッ! ダンッ! ダンッ!!

床を両手で何度も叩きながらよくわからない雄叫びを上げた。

私はあわてて、とても可愛かったよ、うまくできてたよ。とシズクにいろいろ感想を言ってあげるが、シズクの気持ちが落ち着くまでしばらく雄叫びは続いた。

小さな天使が四つん這いで獣のような雄叫びを上げる姿は、とてもシュールだった……。

今回の事で私が学んだのは、『育成』で大事な事は、アドバイスよりもすぐに褒めてあげる事……。