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■ レッスンルーム ■
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シズクに、今回のレッスンはここまでにしようと伝えると、周りの風景が元のレッスンルームに戻る。
シズク「はぁ……、はぁ……、やっと終わった~……。最後までなんとかがんばれたぞ~……」
疲労と興奮が入り混じったような様子で、シズクは力なくガッツポーズをして見せる。
どこかで戦ってきたかのようなシズクの様子に、私は心配になって大丈夫かと尋ねる。
シズク「だ、大丈夫だ……。バーチャルドールは人間より丈夫にできている……。問題ない……」
ひきつった笑顔で答えるシズクは、とても人間の私より丈夫なようには見えなかった……。
大丈夫アピールのために親指を立てている姿が、力なくヨレヨレで余計に痛々しい……。
シズク「それよりもマスター……、今回のレッスンの出来はどうだった……?」
私は、見事な頑張りだったと褒めながら、シズクの手を覆うように両の手で握った。
シズク「よかった……。マスターにそう言ってもらえると、それだけで頑張った甲斐があるというものだ……」
不器用でみんなよりうまくできない事も多いが、一生懸命がんばるシズクを見ていると、熱いものが込み上げてくる。
ちゃんとした『評価』と『感想』は、あとで送っておくよと伝える。
シズク「シズクが頑張れるのは、マスターがいつもちゃんと見てくれているお陰だ……。マスターの言葉は何よりも力になっているぞ……」
良い部分をほめてあげると、どんどん長所が伸びていって、さらに良くなっていく。
ほめる事で育っていくのを見ていると、こういう所も人間っぽいなと思った。
私自身の反省点としては、毎度の事ながら、このレッスンの相手をつとめるには、まだまだ知識が足りていない事を痛感させられる。
知識が足りていない部分は、あとでミコトさんから教えてもらっておかないといけないな。