【声優講座⑩】「様々な状況(場所・時間・状態・距離)」で演技は変化する

※ この講座の完全版は、動画の方になります。(解説用の画像も、動画の方にあります)




「様々な状況」で演技は変化する

「状況」をイメージして、演技をしましょう

演技は、自分の置かれてる状況や相手との関係性、距離など、様々な状況により変化します。

演技になれていない内は、セリフを読む事で精一杯になり、どの人物・どのシーンを演じても、同じような演技になってしまう事があります。

演技をする時は、「状況」を頭に入れて、演技の深みや多様性を身につけましょう。

「場所」に影響される演技

普通の道を歩く時は、何も意識せずにしゃべれますが、一歩間違えば崖の下に落ちてしまうような、足場の悪い場所にいる場合は、そちらに意識が向いているため、たどたどしい口調になったりします。

また、敵の本拠地に忍び込んでいる時は、注意深く、静かにしゃべったり、南国の海では、開放的になってテンション高くしゃべったりします。

「時間」に影響される演技

時間によって、人物の体調や、周りの状況が変わるため、それが演技に反映されます。

朝は、「朝に強く元気な人物」や「朝に弱く眠そうな人物」などがいます。

昼は、「おなかが空いて元気がない人物」や「昼からやっとエンジンがかかってくる人物」などがいます。

夜は、「周りに迷惑にならないように、静かにしゃべる人物」や「酔っ払って、陽気になっている人物」などがいます。

「状況」に影響される演技

「平和な日常の自分の家」では、気の抜けた顔やしぐさで、のんきな声を出す演技になりますが、「生死をかけたバトル中」だと緊張感がある演技になります。

たった今まで日常の状況だったとしても、急に敵が攻めてきて危険な状況になったり、おいしいお弁当を食べていたら、手がすべって大好物を落としてしまったりと、一瞬で状況が変化する事があります。

「状態」に影響される演技

「おいしいものを食べて気分が良い時」「テストの点が悪かった時」「攻撃されてダメージを受けている時」「熱が出ていて身体がだるい時」など、状態によって演技は変化します。

現在、自分はどういう状態か、熱を出しているとしたら、身体がちょっとだるい程度か、意識が朦朧として寒気や吐き気もあるのか、「状態の度合い」も正確にイメージしましょう。

「動作」に影響される演技

歩いている状態でセリフをしゃべっている時と、走っている状態でしゃべっている時では、息が荒くなったり、うまくしゃべれなかったりと、演技に変化があります。

また、ジャンプをしながらセリフを言うと、大きな声や叫び声になったり、苦しい体勢だと、苦しそうな声になったりします。

「対象」に影響される演技

「誰に話しているのか」をしっかり頭に入れる事で、話し方や態度など、演技に変化が出ます。

友達には、テンション高く、笑いも交えてしゃべったり、ご年配の人には、落ち着いて、失礼のない態度で敬語を使ったり、小さい子供には、しゃがんで、声を少し高くして、ゆっくりしゃべったり、相手によって変化します。

ちゃんとイメージできていないと、友達にもご年配の人にも小さな子にも、同じように対応してしまいます。

相手がどんな人か、しっかりイメージして演技しましょう。

「距離感」に影響される演技

人と話をする場合、「すぐ目の前にいる時」と「10メートル先にいる時」と「50メートル先にいる時」では、声の大きさや使い方は、かなり違ってきます。

舞台の演技の場合は、距離が目に見えて実感できるため、感覚を掴みやすいのですが、声優の場合は、数メートル先に画面があるだけなので、なかなか正しい距離感を掴む事が難しくなります。

実際に距離をとる事は不可能ですので、頭の中で距離感をイメージして、そのイメージにあった演技ができるようになる必要があります。

また、「自分が1階にいて、友達がマンションの4階にいて、見上げながら声をかける場合」と、「自分が4階で、友達が1階にいて、下を見ながら声をかける場合」も、声の大きさや使い方は異なります。

実際にやってみたり、イメージを膨らませて、距離感の演技について、研究してみると良いでしょう。

「相手との掛け合い」に影響される演技

複数人でする演技の場合は、自分の演技だけでなく、掛け合いをする「相手の演技を受けて演技をする」という事が大切になります。

相手の演技を受けずに、練習してきた自分の演技をそのままやってしまうと、まるで別々で収録したような、違和感のある演技になってしまいます。

ケンカをするシーンなら、相手が予想以上に怒った演技をしてきた場合は、それに負けないくらいの怒った演技で迎え撃たなければなりません。

バトルモノのアフレコでは、「ベテラン声優が悪役をする場合、主役を演技で倒してやるつもりで演技をする」という話を聞きます。

相手が想像以上の演技をしてきても対応できるように、相手の演技をしっかりと感じて、柔軟に演技ができるようにしましょう。