【講座】「えもふり講座」(アニメーション講座)

「初心者向け えもふり講座」について
「簡単に自分の絵を動かしてみたい!」という人に向けておりますので、難しい部分は抜きにしたシンプルな講座になっております。
詳しい解説は公式のマニュアルにありますので、さらに深く知りたいと思った方はそちらを参考にしてくださいね。
(これは、使い方を忘れてしまわないないように、自分のための覚え書きでもあります。)
目次
「えもふり」とは
「えもふり」とは、「E-mote」の無料版で、イラストなどを簡単にアニメーションさせる事ができるソフトです。 ソフトが指定する「イラスト素材」を作成した後、「えもふり」に読み込ませるだけで、 イラストが生きているように動き出します。 ■読み込ませられる形式 : フォトショップ形式(psd) ■出力できる形式 : 連番PNG、アニメGIF、WMV |
作品例「クリオネ☆マトイちゃん」(こんなのが作れます)
ソフトのダウンロード&インストール
「えもふり」の公式ページを開いて、「えもふりを今すぐダウンロード!」と書かれた赤いボタンをクリックすると、ダウンロードする事ができます。 ソフトをダウンロードをしたら、インストールをします。 一応、お使いの環境で起動するかどうか確認してください。 問題なく起動したら、とりあえず「えもふり」はおいておきます。 (テンプレートのサンプル画像が入っているので、まずはそれをいじり倒してみるのもいいかもしれません。) |
イラスト素材を作る 前編 (パーツ分け・レイヤー名)
■使用ソフト |
最終的にフォトショップ形式にできたらいいので、僕の場合は、psd形式でも出力ができる CLIP STUDIO PAINT PRO を使っています。 |
■必要なパーツを作り、「えもふり」が指定するレイヤー名にします 必要なパーツ、レイヤー名、レイヤー順は、以下を参考にしてください。 「後ろにあって、重なって見えなくなるパーツ(レイヤー)」ほど下に配置します。 注意 初めて作る場合は、下記と同じ「レイヤー名」にしてやってみてください。 レイヤー名が正しくないと、「えもふり」に読み込む時に正常に認識してくれなくなります。 (レイヤーを入れている「フォルダ名」は、同じでなくても構いません。) |
フォルダ名 | レイヤー名 | 説明 |
【顔パーツ】 | 眉 | 眉が帽子や髪の毛で完全に見えなくなっている場合は省略します。 |
マブタ通常 | 開けている時のマツゲです。 | |
マブタ閉じ | 閉じている時のマツゲです。 | |
瞳通常 | マツゲに隠れている部分も丸く描く必要があります。 (キャラが上や下を向いた場合、瞳の上や下が表示されてしまうため。) | |
白目通常 | 瞳が上下左右に動くので、瞳の後ろの塗り残しがないように塗っておきます。 | |
鼻 | ディフォルメキャラの場合は、省略します。 | |
クチ | 閉じているクチです。 | |
クチ開き | 開いているクチです。 |
初めて作る場合は、「追加パーツ」「胸」は省略して作るのが、難しくなくて良いかもしれません。 (灰色にしている部分は、なくても良い部分です。) |
フォルダ名 | レイヤー名 | 説明 |
【頭・体 パーツ】 | 追加パーツ_あほ毛 | 「クリオネ☆マトイちゃん」の追加パーツです。 あほ毛がないキャラの場合は必要ありません。 頭のパーツで一番前に位置するので、一番上にします。 |
前髪 | 前髪です。 | |
輪郭 | 髪の毛で隠れている部分も「髪の毛が揺れて見える」ので、髪の毛で隠れている部分も輪郭を描きます。 また、目が閉じるので、目の部分も全て肌色で塗りつぶしておきます。 | |
追加パーツ_紐 | 「クリオネ☆マトイちゃん」の追加パーツです。 装飾品などがないキャラの場合は必要ありません。 | |
胸 | 胸を揺らしたい場合は、胸を胴体とは別パーツにする必要があります。 胸のないキャラの場合は省略します。 | |
胴体 | 基本的な人物の場合は、「胴体・腕・腰・足」も全て「胴体」として1つのパーツにします。 | |
追加パーツ_左手 | 「クリオネ☆マトイちゃん」の追加パーツです。 基本的な人物の場合は必要のないパーツです。 手をゆらゆらと揺らしたいと思ったので、追加パーツとして胴体とは別のパーツにしました。 | |
追加パーツ_右手 | 「追加パーツ_左手」と同じです。 | |
後髪 | 基本的な人物の場合は、「前から見える後ろ髪」をこのパーツにします。 「クリオネ☆マトイちゃん」の場合は、後ろ髪が見えず、代わりにツインテールがあるので、ツインテールを「後髪」としています。 |
「背景」を入れたい場合は「背景」と名前を付けるだけで読み込まれます。 |
フォルダ名 | レイヤー名 | 説明 |
【背景】 | 追加パーツ_しらたま | 背景で「ゆらゆらしている白いもや」を追加パーツにして、ゆらゆら揺れるようにしてみました。 |
背景 | 背景を1枚で構成する場合は、これ1枚で良いです。 |
【画像:左】 作業が完了すると、以下のようなレイヤー構造になります。 (フォルダ分けはしなくても構いませんが、あるととてもわかりやすくなります。) 【画像:右】 目とクチが2重になっているのは、「閉じた目(クチ)」「開けた目(クチ)」を同時に表示しているためです。 |
レイヤー構造 | パーツを全て表示させた状態 |
![]() | ![]() |
イラスト素材を作る 後編 (中心点・範囲指定)
■「中心点」と「範囲指定」をします。 レイヤーに、「点」と「四角」を描くだけですので、コツがわかれば簡単にできるようになります。 注意 初めて作る場合は、下記と同じ「レイヤー名」にしてやってみてください。 レイヤー名が正しくないと、「えもふり」に読み込む時に正常に認識してくれなくなります。 (レイヤーを入れている「フォルダ名」は、同じでなくても構いません。) |
●まずは「中心点」を作ります。 新規レイヤーを作り、下記を参考にしてブラシツールなどで「点」を打つだけでできます。 |
フォルダ名 | レイヤー名 | 説明 |
【中心点】 | 首中心 | 「首を傾けるための中心」を設定するための点です。 |
腰中心 | 「体を傾けるための中心」を設定するための点です。 | |
原点 | 「キャラ・背景全体を回転させるための中心」を設定するための点です。 |
●次に「範囲」を作ります。 新規レイヤーを作り、髪などのパーツを囲む四角を描くだけでできます。 「範囲」は、そのパーツが「表示される範囲」と思われます。 画像のギリギリで囲まず、少し余裕を持った大きさにする方が良いようです。 「トリミング枠」以外は、半透明にしておくと作業がやりやすくなります。 |
フォルダ名 | レイヤー名 | 説明 |
【顔の範囲】 | 目R枠 | 目の範囲です。 開いた目を囲みます。 |
目L枠 | 「目R枠」と同じです。 | |
眉R枠 | マユの範囲です。マユを囲みます。 | |
眉L枠 | 「眉R枠」と同じです。 | |
鼻枠 | 鼻の範囲です。鼻を囲みます。 | |
クチ枠 | クチの範囲です。開いた口を囲みます。 |
フォルダ名 | レイヤー名 | 説明 |
【頭・体の範囲】 | 頭部全体枠 | 「頭」として同時に動く部分を全てを囲みます。 あほ毛やツインテール、頭の装飾も1つの四角で囲みます。 |
胴体全体枠 | 「体」として同時に動く部分を全て囲みます。 腕も1つの四角で囲みます。 |
フォルダ名 | レイヤー名 | 説明 |
トリミング枠 | キャラを切り抜きたい範囲を囲みます。 この四角は「不透明度100%で、完全に表示させた状態」にします。 (半透明にすると、えもふり内のキャラが半透明になってしまうようです。) |
レイヤー構造 | 中心点と範囲を全て表示させた状態(赤い点が中心点です) |
![]() | ![]() |
これで「イラスト素材」は完成です。 「フォトショップ形式(psd)」で保存をします。 |
「えもふり」に「イラスト素材」を読み込ませる
■「えもふり」を起動させて、ファイルを読み込ませる。 「ファイル」>「プロジェクトを開く」で、モーションファイルを選びます。 「E-mote3.0テンプレート」フォルダ内にある、「E-mote3.0入門用テンプレート.mmo」を開きます。 次に、作った「イラスト素材」を読み込みます。 「ファイル」>「PSDをインポート」で、先ほど作った「イラスト素材(フォトショップ形式)」を開きます。 |
▼ 読み込ませた状態。

■「PSDインポート」で、「イラスト素材」の最終調整をする。 左にある「取り込みパーツ一覧」の色の違いについて。 |
レイヤー名 | 説明 |
黒い文字 | 画像がある部分。 |
赤い文字 | 画像がない部分。 (エラーで読み込まれていない場合や、鼻など省略したために画像がない場合があります。) |
青い文字 | 画像の入っている「新規追加パーツ」。 右に表示される画面で「パーツタイプ」などを変更すると、緑色に変化します。 |
●とりあえず、「リセット」ボタンを押します。 (リセットをしないでやった場合、鼻を省略している(画像がない)せいか、「テンプレート画像の鼻」が読み込まれてしまうという事が起きたので・・・w) ●「物理挙動スケール」を設定します。 「イラスト素材」と「テンプレート画像」の大きさと位置が近くなるように、「スケール」と画面をドラッグして調節をします。 (テンプレート画像に近くしておくと、モーションが正しく表示されるらしいです。) ●「範囲」を確認します。 全てのパーツ名をクリックして、「四角で囲った範囲」がちゃんと反映されているかを確認します。 もしズレていたら、四角をドラッグして大きさと位置を調節します。 ●「新規追加パーツ」の「パーツタイプ」を設定します。 (「追加パーツ」を作っていない場合は飛ばしてください。) この項目に関しては、「追加するもの」によってベストな設定を、実験して理解していってくださいね。 クリオネ☆マトイちゃんの「あほ毛」の場合は、「+頭部+頭部枠同期+揺れ有り」に設定しました。 設定が終わったら、下にある「インポート」を押すと「えもふり」にキャラが読み込まれます。 |
キャラを動かして遊ぶ
■「サンプルモーション」を使ってキャラを動かす。 ここでは、読み込んだキャラを、「最初から用意されているテンプレートのモーション」で、 すぐに動かして楽しめる方法を書いておきます。 (自分の思うように「オリジナルの動き」をつけたいという場合は、公式のマニュアルをご覧くださいませ。) ●「サンプルモーション」のある場所 「ポーズ詳細編集」>「タイムライン編集」を開くと、「サンプルモーション」がズラ~っと表示されます。 その中で、「全自動_test」 「全自動_test2」 「複合01」 「複合02」 「複合03」 が、 キャラが大きく動いたりいろんな表情をしてくれるので、見ていて楽しいと思うので、まずはこれを試してみてくださいね。 |
アニメーションの出力の仕方
■「タイムライン編集」の右画面にある「動画を出力する」をクリックすると、「動画出力設定」が表示されます。 |
レイヤー名 | 説明 |
フォーマット | 「連番PNG」「GIFアニメーション」「WMV(動画)」の3つから選べます。 |
幅・高さ | 画面の大きさの設定です。 |
オフセット X・Y | 画面の位置です。 右のプレビューをドラッグして変更する事もできます。 |
スケール | 画面に映っているキャラを拡大縮小できます。 「1」が等倍で、 「1.5」「2」「2.8」などにすると拡大され、 「0.8」「0.5」「0.25」などにすると縮小されます。 |
タイムライン(差分) | これは使わなかったので不明。 |
追加キャプチャ時間 | これも使わなかったので不明。 モーションが終わった後に、停止している時間 |
フレームの時間 | 1秒間あたりのコマ数です。 コマ数が多いほど動きが滑らかになります。(数字が少ないほど滑らかな動きになります。) ただし、「えもふり」は「120フレームまで」という制限があるので、滑らかにするほど出力される再生時間が短くなってしまいます。 |
ブラー | 画像に残像が残るような効果が付きます。 (僕はチェックを外して出力しています。) |
「OK」ボタンを押すと出力されます。 |
初心者向け「えもふり」講座は、これにておしまいです。 自分のイラストが生きているように見える技術を、みなさんも楽しんでみてくださいね。 愛着アップする事、間違いなしですよ♪ |